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アラフィフ女性はなぜ痩せにくい？ダイエットの第1歩とは？／白井由紀

「衰え」という言葉が頭をよぎり、体の変化を感じるアラフィフ女性。しかし、昔のようにダイエットをしたら、すぐ以前の体型に戻るのが難しい年代もあります。

そこで、3回に渡り、そんなアラフィフ女性のダイエットのコツをお伝えしていきます。

昔のようにすぐ痩せないのは基礎代謝量が低下しているから

アラフィフ女性が、なかなか痩せられない大きな原因は、基礎代謝量が低くなっているから。まずは「基礎代謝量」を知る前に「代謝」について理解しましょう。

「代謝」とは熱を発生させる反応のこと

「代謝」とは、人の体内で行われる、熱を発生させる一連の反応のことをいいます。

私たちは身体活動、生命維持のために栄養を取り入れ、消化、吸収、排泄という流れを繰り返しています。この時に体内に取り込まれた栄養は、体の成分や細胞になったり、呼吸によって得られた酸素で形を変えたり、熱を発生させています。こういった一連の反応を「代謝」といい、私たちは代謝を繰り返すことで生きています。

「基礎代謝量」とは生きるための消費エネルギー

生命を維持するための代謝のこと基礎代謝をいい、これに消費される必要最小限のエネルギー代謝量が「基礎代謝量」です。心身ともに安静にしている状態で、内臓を動かしたり体温を維持したりするために使われるエネルギー量です。

基礎代謝量基準値は年齢と共に変化します。女性の年代別の、体重1kg当たりにおける基礎代謝基準は18～29歳の場合は22.1kcalに対し50～64歳の場合は20.7kcalです。

このことから、20代の頃と体重は維持できたとしても、体重1kgあたりの基礎代謝基準値が低くなるので、消費エネルギー量も減ってしまうことがおわかりかと思います。

では、体重が多いと消費エネルギー量が高いかというと、そうとは言いきれません。骨格筋量が関与するからです。

加齢とともに基礎代謝が低下するのは骨格筋の減少が大きい

基礎代謝量は筋肉や臓器などの割合が高くなっています。人の臓器・組織における代謝量は、全体を100%とすると、骨格筋は22%、肝臓は21%、脳20%に比べ、脂肪組織は4%にすぎません。

人は40歳を過ぎると骨格筋量が減少していきます。このことから、骨格筋量を維持することがアラフィフ女性のダイエット第1歩となります。骨格筋量を維持するには、日頃から体を動かして筋肉を使うことになります。

臓器も鍛えると代謝が上がる

骨格筋の他にも、各臓器における代謝率の低下も要因となっています。ですから、臓器を鍛えることも必要です。

「臓器を鍛える」とは「食べて内臓を動かす」こと。「食べる量を減らして体重を落とす」のではなく、しっかり食べ、内臓を動かし、こまめに熱を発生させることで代謝を上げるのです。熱産生における割合が一番多いのは、たんぱく質。筋肉量を確保するためにも、たんぱく質を意識して摂取するようにしましょう。また、よく噛むことも大変重要です。脳も基礎代謝量の20%を占めているので、咀嚼して脳に刺激を与え、代謝を上げましょう。

アラフィフ女性ダイエットの第1歩は骨格筋量を維持すること。外出自粛期間中に「体を動かす」重要性を実感された人は多いのではないでしょうか。これからも「体を動かす」「臓器を鍛える」を意識し基礎代謝を上げ、ダイエットに繋げていきましょう。

担当管理栄養士：白井由紀

参考文献