睡眠時間が短いと太る・病気になる・仕事の効率も下がるって本当?/西俣成香
みなさんは睡眠が十分にとれていますか?仕事や自分の時間を優先するあまり、睡眠は後回しにしてしまいがちです。
今回は睡眠の必要性についてお伝えいたします。

厚生労働省が定める健康日本21(第三次)においては睡眠時間が十分に確保出来ている者(睡眠時間が6~9時間の者)の目標値を60%に増加するように設定しています。しかし現実は、令和5年の国民健康・栄養調査では、1日の平均睡眠時間は6時間以上7時間未満の人が多く、6~9時間の者の割合は男性で61.5%、女性では56.4%でした。

睡眠の役割は、学習能力と判断力の向上、記憶の定着、脳のメンテナンス、精神的安定、身体の回復、代謝の調整などがあります。また、睡眠をしっかりとることは免疫力を高める働きがあるため、病気にかかりにくい身体づくりに繋がります。
反対に睡眠が不足すると肥満、高血圧、2型糖尿病、心疾患などのリスクが上がることをご存知でしょうか?
食欲を抑制するホルモン(レプチン)の分泌が減少し、食欲増進ホルモン(グレリン)が増加します。すると、脳は特に高エネルギーの食品や甘いものを求めるようになるため、体重が増えます。また、睡眠不足によってストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を増加させるため、脂肪の蓄積を増進させてしまいます。

まずは自分が今どれだけの時間寝ているか確認してみましょう。睡眠時間を記録することで数値が見えるため、自然と睡眠の質を高めやすくまります。
セロトニンによって意識が覚醒し、夜にはメラトニンに変わり睡眠の質向上に繋がります。また、よく噛むことによって口周りが鍛えられ、睡眠中の無呼吸の予防にも効果が期待出来ます。1口につき20~30回噛むことがおすすめですが、これまでよく噛む習慣がなかった方は、10回は噛んで食べるよう意識してみましょう。

睡眠不足は、単に身体の不調を招くだけではありません。認知機能の低下やストレス耐性の低下によって、仕事のパフォーマンスや判断力が大きく損なわれます。ある調査では、肥満による経済的損失の約10倍が、睡眠不足による生産性低下で発生しているとも報告されています。
いかがでしたでしょうか?健康のために睡眠時間を増やすきっかけになりましたら幸いです。
担当管理栄養士:西俣成香
参考文献
2025年5月 7日
今回は睡眠の必要性についてお伝えいたします。
国の目標「睡眠6〜9時間の人を6割に」って知ってた?

厚生労働省が定める健康日本21(第三次)においては睡眠時間が十分に確保出来ている者(睡眠時間が6~9時間の者)の目標値を60%に増加するように設定しています。しかし現実は、令和5年の国民健康・栄養調査では、1日の平均睡眠時間は6時間以上7時間未満の人が多く、6~9時間の者の割合は男性で61.5%、女性では56.4%でした。
睡眠不足が引き起こす“コワい連鎖”とは?

睡眠の役割は、学習能力と判断力の向上、記憶の定着、脳のメンテナンス、精神的安定、身体の回復、代謝の調整などがあります。また、睡眠をしっかりとることは免疫力を高める働きがあるため、病気にかかりにくい身体づくりに繋がります。
反対に睡眠が不足すると肥満、高血圧、2型糖尿病、心疾患などのリスクが上がることをご存知でしょうか?
食欲を抑制するホルモン(レプチン)の分泌が減少し、食欲増進ホルモン(グレリン)が増加します。すると、脳は特に高エネルギーの食品や甘いものを求めるようになるため、体重が増えます。また、睡眠不足によってストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を増加させるため、脂肪の蓄積を増進させてしまいます。
睡眠時間を確保するための工夫

まずは自分が今どれだけの時間寝ているか確認してみましょう。睡眠時間を記録することで数値が見えるため、自然と睡眠の質を高めやすくまります。
●まず今より30分早く寝る
早く寝た次の日の目覚めに違いは感じませんか?睡眠の質を上げるためにはまず睡眠の量を確保する必要があります。今より30分早く寝てみましょう。●睡眠の環境作りも大切
自分自身が快適に感じる室温・湿度を朝まで保つ環境を作ることも大切です。エアコンは直接身体に当たらないよう気をつけましょう。自分に合った枕やマットレスを選ぶことも睡眠の質向上に繋がります。●理想の夕食時間は就寝4時間前
食後は胃腸が活発に働いて深部体温があがるため、食後すぐの就寝は睡眠が浅くなりやすいです。どうしても夕食の時間が遅くなる場合は消化の良いものを食べることや食事を分けて食べるのがおすすめです。●よく噛んで食べることも睡眠の質向上に
実はよく噛んで食べることも睡眠の質向上に繋がります。噛むことはあごのリズム運動になるためセロトニンが増えます。セロトニンによって意識が覚醒し、夜にはメラトニンに変わり睡眠の質向上に繋がります。また、よく噛むことによって口周りが鍛えられ、睡眠中の無呼吸の予防にも効果が期待出来ます。1口につき20~30回噛むことがおすすめですが、これまでよく噛む習慣がなかった方は、10回は噛んで食べるよう意識してみましょう。
睡眠時間は企業の利益率にも影響

睡眠不足は、単に身体の不調を招くだけではありません。認知機能の低下やストレス耐性の低下によって、仕事のパフォーマンスや判断力が大きく損なわれます。ある調査では、肥満による経済的損失の約10倍が、睡眠不足による生産性低下で発生しているとも報告されています。
十分な睡眠を確保することは、集中力や記憶力、創造性の向上に繋がり、結果として業務の効率化・ミスの削減・イノベーションの促進といったプラスの効果をもたらします。さらに、健康状態が安定し、メンタルヘルスの維持にも寄与するため、病気による欠勤や医療費の抑制といった面でも企業にとって大きなメリットがあります。
いかがでしたでしょうか?健康のために睡眠時間を増やすきっかけになりましたら幸いです。
担当管理栄養士:西俣成香
参考文献
- 柳沢正史「快眠法の前に今さら聞けない睡眠の超基本」朝日新聞出版
- 坪田聡「思考と体がスッキリ!睡眠のしくみ」成美堂出版
- 厚生労働省,国民健康・栄養調査,(2025.4.24閲覧)
- 厚生労働省,健康づくりのための睡眠ガイド2023,(2025.4.24閲覧)
- 厚生労働省,「良い目覚めは良い眠りから 知っているようで知らない睡眠のこと 解説書」(2023年3月)
西俣成香執筆コラム
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