頑張らずに続ける食生活の見つけ方①〜妊娠糖尿病だったあなたへ〜/矢村千紘
こんにちは。妊娠糖尿病を2回経験した管理栄養士、矢村千紘です。
みなさま、出産後の健康管理は続いていますか?
という流れです。
未来のイメージ(目的地)が決まっていないと、何が正しい方法かも分からず、今の食生活に意味を見出せません。モチベーションの低下に繋がり、改善することも継続することも難しくなります。
逆に、目指すものが明確であるとスムーズに行動することができます。例えば、ただ単純に「健康になりたい」だけよりも、「海外旅行で歩き回れる元気な体」の方がモチベーションは保てると思いませんか。
2023年8月 9日
みなさま、出産後の健康管理は続いていますか?
体重が増えて戻らない、血糖値が正常に戻らず糖尿病の境界型と診断された、血糖値が気になって食事がストレス、といった悩みはよく聞きます。子供の成長に伴って変わっていく子育ての忙しさに対応しながら、仕事に家事に奔走していると、次々に出てくる新しい健康法に気合いを入れて取り組む余裕はありませんよね。
今回は、頑張らなくても続けていける食生活の見つけ方を3回にわたってお伝えします。
すべての「土台」は自分を知ること
人によって抱えている悩みや生活環境、身体の状態は違うため、隣の“あの人”が良いと言っている健康法が必ずしも自分にとっても最良とは限りません。そのため、自分の事をよく知って、自分なりの判断基準を持っておくと、健康管理をしていく際にとても役に立ちます。
流行りの健康法を取り入れるのは悪いことではありませんが、考えなしに飛びつくのではなく、一度立ち止まってしっかり考える事ができると、失敗や後悔も減っていきます。
自分なりの基準を定めていくには、大きく分けて3つのステップがあります。
- 未来をイメージし、
- 自分の現状を知り、
- 食生活の課題を洗い出して改善に向けた行動を計画する、
という流れです。
そして実際に行動してみて、出来たことや出来なかった事を振り返り、各ステップを見直し、再計画していきます。これを繰り返していくと、自分なりの基準が絞られてきます。
ここで大切なのは、自分自身に基づいた計画である事です。誰かが決めた未来に向かってタスクをこなしていくのではなく、自分が納得した未来に向かって、自分の決めたタスクを自分のペースで取り組んでいきましょう。
ステップ1:自分が納得する未来を具体的にイメージする
未来のイメージ(目的地)が決まっていないと、何が正しい方法かも分からず、今の食生活に意味を見出せません。モチベーションの低下に繋がり、改善することも継続することも難しくなります。
逆に、目指すものが明確であるとスムーズに行動することができます。例えば、ただ単純に「健康になりたい」だけよりも、「海外旅行で歩き回れる元気な体」の方がモチベーションは保てると思いませんか。
そうは言っても、最初から明確な未来をイメージできる人は少ないので、何度も修正して自分のしっくりくるものを探していきましょう。ポイントは以下の通りです。
●まずは5年後10年後をイメージする
いきなり何十年も先の未来は、現実味がなさすぎてイメージしにくいものです。まずは数年先のイメージをしてみましょう。10年後、どんな生活を送り、どんな自分になっていたら嬉しいですか。自分の年齢とともに、子供やパートナー、両親の年齢を書いていくとイメージがより明確になります。
●楽しさ、喜び、やりがいに注目する
人によって大切にしたいこと(価値観)は違うため、世間の常識が自分の幸せとは限りません。自分がやりがいや楽しさを感じること、喜びを感じる瞬間などを書き出してみましょう。
数値的な目標を達成していくこと、子供の成長を支え見守ること、ボランティアといった地域・社会への貢献、友人との交流など、色んなシーンを思い出して、できるだけ沢山書き出すことをお勧めします。なかなか思いつかない場合は、過去を振り返ることで気づくこともあります。
●カテゴリーに分けてイメージする
大きく4つのカテゴリー「趣味・生活」「仕事・経済」「家族・人間関係」「健康・美容」に分けるとイメージしやすくなるのでお勧めです。
例えば、仕事では大きなプロジェクトを手掛け、週末は趣味のガーデニング楽しみ、友人や家族と旅行やアウトドアに出かけるアクティブな自分といった具合です。
そのイメージした未来をどんな健康状態なら存分に楽しめるでしょうか。「健康」はとても重要な要素になるのです。
妊娠糖尿病を経験している場合、何もなかった人と比べて将来の糖尿病発症リスクが約7倍になることを以前のコラムでもお伝えしました。必ずしも発症するわけではありませんが、ある程度は想定しておくことで検診の計画を立てたり、日々の食生活のモチベーションを保ったりすることができます。
むやみに「糖尿病になったらどうしよう」と怖がりすぎず、逆に「まぁ大丈夫だろう」と楽観的になりすぎることもなく、ちょうど良いバランスを取ることが大切だと私自身の経験からも実感しています。
最初は自分の納得できる明確な未来をイメージするは難しいかもしれません。子育てや仕事の合間に、少しでも自分の未来に目を向ける時間を持つと、それが健康管理に繋がっていきますので、ぜひ取り組んでみてください。
次回は、ステップ2「自分の現状を知る」についてお伝えします。
担当パーソナル管理栄養士:矢村千紘
参考文献
●妊娠糖尿病だった管理栄養士が実践!日常生活のポイント②運動編
●妊娠糖尿病だった管理栄養士が伝授!糖との付き合い方①
●妊娠糖尿病だった管理栄養士が伝授!糖との付き合い方②
●血糖値コントロールでアンチエイジング!おやつ習慣のポイント
●妊娠糖尿病だった管理栄養士が伝授!血糖コントロールとお通じ改善のポイント
●血糖値コントロールでお口美人を目指す!歯周病と血糖値の深い関係
●見落としがち!糖尿病で失いやすい栄養素
次回は、ステップ2「自分の現状を知る」についてお伝えします。
担当パーソナル管理栄養士:矢村千紘
参考文献
- 坂井敦子「糖尿病・腎臓病・透析患者のやる気を引き出すコーチング」メディカ出版(2018)
- コーチ・エィ「新版コーチングの基本」日本実業出版(2019)
- 糖尿病と妊娠に関するQ&A,日本糖尿病・妊娠学会,(2023.7.31閲覧)
- 日本パーソナル管理栄養士協会,「管理栄養士ライフデザイン初級講座」テキスト
●妊娠糖尿病だった管理栄養士が実践!日常生活のポイント②運動編
●妊娠糖尿病だった管理栄養士が伝授!糖との付き合い方①
●妊娠糖尿病だった管理栄養士が伝授!糖との付き合い方②
●血糖値コントロールでアンチエイジング!おやつ習慣のポイント
●妊娠糖尿病だった管理栄養士が伝授!血糖コントロールとお通じ改善のポイント
●血糖値コントロールでお口美人を目指す!歯周病と血糖値の深い関係
●見落としがち!糖尿病で失いやすい栄養素